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最期に旅立つときは。

罪喰い (講談社文庫)罪喰い (講談社文庫)
(1977/06)
赤江 瀑

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先日『おくりびと』という映画を見ました。
亡くなった方の最期のお支度をしてくださる人です。

家族には色々言われ、主人公悩む場面もありますが、大変美しい映画だと。

こちらは少々趣が違うのですが、やはり亡くなった方に対する儀式を執り行う人のお話。

赤江瀑さん。この作家さんもなかなかに耽美的というか幻想的な小説を書かれる方です。

この『罪喰い』は亡くなった方の生前の罪を生きている人間が代わって引き受け、天国に送り出すという習慣を生業にしている父親と息子のお話。

日本ではあまりない習慣だと思いますが主に西洋では、葬儀の際、人が、棺の上の死体ごしにパン一片と一杯のビールを飲み下して、金銭を受け死者の生前の罪をすべて引き受けるという習慣があるそうです。

宗教は詳しくないのですが、おそらく『最期の審判』に際してあらゆる死者をよみがえらせて裁きを行い、永遠の生命を与えられる者と地獄へ墜ちる者とに分けるという思想に基づいて、審判を受けるときにできるだけ罪をなくし、永遠の生命を与えてもらう為の儀式なのではないでしょうか?(このあたり詳しい方がいらっしゃれば教えてください)

お葬式の最中、呼ばれた男は亡くなった方の体の上を餅でなぞり、その餅を飲み下す。
儀式が終わると、亡くなった方の家族からは、汚らわしいものでも見るようにいくらかのお金を貰い家を後にする。
『仕事』を終えた後、飲み下した餅を泣きながら戻す父親を、幼い息子はどんな気持ちで見つめていたんでしょう。

人間の罪を人間が代わりに引き受けるなんてことは所詮無理な話。
自分が嫌だと思う事を人に肩代わりさせる、人間の傲慢さというか無神経さというか
与えた人間は忘れるけれど、与えられた人間は決して忘れない。
小さな事でも積み重なれば、大きな憎悪に変わっていく。

憎悪に取りつかれた人間の悲しさ、恐ろしさを書いた何とも言えない耽美な小説です。

赤江さんの作品はどれも妖しく美しい。
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